この男の漢(おとこ)っぷりに涙がでるほどすがすがしい。

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MF文庫j新人賞佳作受賞作忘却の軍神と装甲戦姫 (著:鏡銀鉢/画:chocomori/メカ:karamiso Inw)[AA]です。
新人賞選考時のタイトルが「地球唯一の男」なんですけれども、審査員コメントで日日日先生にボロクソに言われてるのですが、タイトルもMFらしくなったりしてるところを見るに、出版されるまでに書き直しをされてるでしょうから今読んでるこの作品はその時とは別物だろうと勝手に思っておくことにします。

第3次世界大戦中に頭に弾を受け、冷凍カプセルに入れられるも輸送中の事故で海に沈むこと千年。引き揚げられカプセルが開けられ施術をされて目覚めると、世界は男がすべてウィルスにより絶滅した世界。戦争を繰り返し第十次世界大戦真っ只中な世界。武装も強化外骨格に主力が移る世界。この世界に目覚めた主人公は地球唯一の男として劣勢の日本を救うべく、大切なものを守るため、装甲戦姫(ブリュンヒルデ)に───

この世界で主人公はチートそのものです。男女の体格差もさることながら主人公のアサトは千年前の国防学園のエース。生身同士で戦っていた時代に鍛え上げられた身体と戦の勘はこの千年先の世のあらゆる常識をも覆すに十分なパフォーマンスを誇っているのです。男がいない世界に浮かれることはなくともとまどうことだらけで、たまにおこるラッキースケベなイベントにも真摯さがかいま見えるこのうらやまけしからん状況。この世のチートと化したアサトに用意された強化外骨格はこの世の常識を無視したオーバースペックもいいとこなのですが、軽々乗りこなして立ち向かうは2500機の軍用甲冑(強化外骨格)…

アサトは先の大戦で負傷する前に引き金を引けずに仲間を亡くしていたり、隊が全滅しても息のあるモノをかついで拠点に戻るなどとても仲間思いなのですが、弱さをわかったうえでそれに苦悩します。また、先の大戦での仲間のその後を調べ、その結果に自分を奮い立たせるためにとった行動がとても不器用ながらも漢らしくてもうなんていうか思わず涙が出てしまったのですけれども、是非ともこの漢の生き様を見届けていただきたいと思います。